陽の光が足りない夜明けに野鳥を撮ると、
まるでモノクロ写真の様にシルエットだけが浮かび上がることがある。
白と黒だけの世界、、、カラーで撮ってる筈なのに。
心が驚いて、ドキドキときめく瞬間。
野鳥を追いかけてあちこち新たな場所に出掛けてるけど、
「自然が多い」= 「野鳥が多い」という図式は、
もしかすると人間の愚かな思い込みなのかも知れないと感じる。
カワセミが良い例だ。
人家の少ない、自然が多く残っている田舎の水辺、そこには沢山居るだろうと思って訪ねてみても、驚くほどカワセミは見かけない。
逆に都心、杉並区の住宅街にある公園の池には、驚くほど多くのカワセミが見受けられた。
人が多くても、人家が多くても、きっとカワセミには居心地の良い条件があるんだろうね。
動物性プランクトンが豊富で小魚が多く住んでる適度な広さの静かな池。
綺麗な清流でなくても、少しくらい流れが緩く淀んだ水辺でも良い。
池の周りの遊歩道を歩く人間たちは自分たちに何もしない、無害な連中だといつしか学習し、人の姿を見かけても飛び立つことが無くなる。。。
なんだか、鳥の世界も、人の世界も似てるなぁ。
それぞれに合った居心地の良い居場所、住処、生き方を探して、
いつの間にかそこに落ち着く。
自分にとって何が心地よいか、生き易いか、時間と共に分かってくる。
鳥にも、自分だけの秘密の場所もあるのかも知れない。
写真を整理してて、古い一枚の写真が出て来た。
眺めていて、今から37年ほど前の初めてドイツ(当時は西ドイツ)に出張で行った27歳の自分だと気付いた。
インターネットもGoogle Mapも無い時代、、、自分がどこの町に居るのかさえ知るのに苦労した時代だった。
記憶を辿ると、おそらく北部のブレーメンからフランクフルト方向に南下する夜汽車に乗ってた記憶がある。。。その時の一枚。
27歳の僕の表情を見ると、不安と期待の混じった複雑な顔をしてる。。。
その後の自分の人生、ヨーロッパを飛び出し世界41ヶ国を彷徨うことになるとは、これっぽっちも予想だにしていなかった。。。
今は、スマホ1つあれば大概のことは何でも分かる。
あるアプリによれば、41ヶ国行っても、まだ地球の16%しか知らないことになるそうだ。。。
つまり、僕は自分が生きてるこの世界の事を、
まだまだ何も分かっちゃいないのと同じと言うことだね(笑)
野に踊る鳥たちのように、その後の僕も自分の思うような生き方、居心地の良い居場所を見つけられたのだろうか。
Tamatono / Mar. 19, 2023 何だかなぁ。。。